「音」楽に「専」らのめりこみ「満」足と「充」実を多視点から伝えるブログ
 
夏と死と
もうすぐ夏ですね。みなさんにとって夏はどんな季節でしょうか。

夏は、ほかの季節に比べて、いろんな顔を持っていると思います。夏休みとか、イベントも多いしね。海水浴みたいな楽しみ方もあるし、夏祭りみたいな楽しみ方もあるし、ワンナイトラブ的な開放感もあるし。虫取りとか、アイスキャンディーとか、家で見る高校野球、扇風機、スイカ、風鈴、浴衣、屋台、神社、七夕、上げればきりがないけれど、インドアでもアウトドアでも、西洋風でも日本風でも、いろんな風情があると思います。

わたしにとって、夏は死の季節です。いちばんの理由は父親の命日が8月29日だからです。アスファルトの上で揺れる陽炎を見るたびに、父が亡くなったという報告の電話が来た日の残暑特有のきつい日差しと耳を劈くセミの鳴き声を思い出します。父とわたしの最期の会話は、わたしが父についた悪態でした。そのあとすぐに父は急病で入院し、面会ができないまま急逝しました。わたしは小学生でした。

してしまったことは仕方ないと思って生きている。でもそのことだけは、たぶん死ぬまで後悔するんだと思います。ちゃんと「ひどいことを言ってごめんなさい」と伝えたかった。夏が近づくたびに、父にひどいことを言ってしまったこと、謝れなかったことを悔やみます。

それに加えて、父親が他界した1995年は戦後50年でした。8月は8月15日、8月6日や8月9日など、戦争に関する事案が様々です。まだそのときは戦争を経験した方々から直接話を聞く機会も多く、小学校でも1学期から戦争のことをたくさん勉強し、学習発表会のように模造紙にまとめることも多かったです。あと8月はもともとお盆という習慣もある。わたしは夏に潜む死のにおいから逃れられなくなりました。じゃあ冬を楽しめばいいと思うでしょう? でも2009年のクリスマスイヴに尊敬する音楽家が他界していて、1997年のクリスマスに慕っていたひとが他界しているんです、困っちゃいますよね。でもそれがわたしの業――と言うと大袈裟かもしれないけど、背負わないといけないことなんだろうなと思います。

母親とリニア新幹線のことを話していて、わたしが「名古屋まで開通するのが10年後で、大阪までつながるのが早くて20年後らしい」と言うと、母は「20年後は生きてないだろうなあ」と笑いました。大人になればなるほど死のにおいが濃くなってきて、わたしは自分が死ぬことよりも、好きなひとたちが周りから少しずついなくなることが怖いなと思うようになりました。

なんか暗い話になっちゃったけど、裏を返せば夏は「自分がどう生きていきたいか」に向き合う機会が多いということでもあります。だから20代のときより夏が好きになれていると思う。10代とか二十歳すぎくらいまではビッグネームになってやるとか、超売れっ子になってやるとか、ばりばりキャリアウーマンになってやるとかみんなから一目置かれるような存在になりたいとか思ってたけど、最近は大事なひとやものを大事にできたら、もうそれでいいかなと思うのでありました。今日も原稿がんばるまん
【2017.06.25 Sunday 14:34】 author : sayako oki
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